カテゴリー別アーカイブ: 熱処理

【熱処理コラム】金属粉末に対する熱処理

本社がある愛知県にはまだ緊急事態宣言が敷かれており、まもなく解除されると思われます。また、今月13日北関東で発生した地震や山火事と災害が続いており、平穏な日々を切望しております。

さて、粉体に対する熱処理についてご説明いたします。例えば鉄の比重は7.85ですが、粉体になるとかさ密度の観点から比重は低くなります。かさ密度や粉体の大きさによりますが3~5程度になることが多いです。真比重と比べて空気を含んでいる分軽くなりますが、軽くなるだけではなく熱の移動が非常に悪くなります。具体的には熱伝導から対流や輻射になってしまうのが原因です。また、表面積が真比重の場合最小化されていますが、粉体になることによって非常に大きくなります。

よって、粉体の熱処理を行う場合には様々な点を考慮する必要があります。熱の移動が悪い分、処理時間が多く掛かります。密度も低い分、1回の処理に量が多く充填できません。表面積が大きい分、化合しやすくまた、拡散接合しやすくなります。こういった様々な要因に対して処置を行い狙いの品質を満たすのは少々骨が折れます。

弊社では、多くの経験から最適な処理を可能にすべく提案をさせていただいております。例えば熱の移動に関しては表層と中心部の実体温度を測温し、最良な充填量を設定します。粉体に対する最適な熱処理ご興味がございましたら是非お問い合わせください。

株式会社メタルヒート(真空熱処理)
愛知県安城市/石川県志賀町
HP:http://www.metalheat.co.jp  / TEL:0566-98-2501

【熱処理コラム】ドライポンプについて

真冬日と穏やかな気候が繰り返され寒暖差が激しい日が多くなっております。また、緊急事態宣言が11都府県に発令されています。平穏な日々がまた訪れることを切望しております。

さて、今回はドライポンプについてご説明いたします。
一般に真空炉で使用するポンプはロータリーポンプ(RP)、 メカニカルブースターポンプ(MB)、ディフュージョンポンプ(DP)であり、特にRPは初期粗挽きに使用されますが、密閉や潤滑の為に使用されるポンプ油が蒸発し真空容器内に流れ込みます。そういったコンタミを嫌うケースに適当なのがドライポンプとなります。ドライポンプは先述の密閉や潤滑で用いる油が使用されておりません。
弊社では必要に応じドライポンプを用いた真空熱処理を行うことが出来ます。
清浄な炉内雰囲気にご興味がございましたら是非お問い合わせください。

株式会社メタルヒート(真空熱処理)
愛知県安城市/石川県志賀町
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【熱処理コラム】炉内温度分布と測温について

弊社がある愛知県の日中は20℃を越し、過ごしやすい季節でありますが朝晩の冷え込みが大きく、体調管理が難しい状況です。コロナ禍の影響により、各所大きな爪痕をいまなお残しておりますが、終息までには至っていない状況であります。平穏無事で有るよう祈念しております。

さて、先月も触れましたが今月は温度分布と測温についてご説明いたします。炉内の質量により、雰囲気温度と実体温度は大きく差が出ます。また、昇温スピードが早いと同様の減少が起こります。但し、実際にどれだけ差が発生しているかどうかは測温しなければわかりません。弊社ではデータロガーを用い、10点までであればリアルタイムに測定が行えます。適正な温度条件を設定するのにどれだけの時間で収斂するのか、均熱が長すぎて組織が粗大化していないか、フラットトップを出来るだけ短くするため(粗大化、サイクルタイム、ユーティリティ)予熱は必要ないか、新規案件は勿論、既存の条件の妥当性確認などを行うことが可能です。耐熱ボックスも有しているため、ドライ環境下であれば出張対応も行えます。条件の設定、品質の向上、生産性向上、ムダの削減等に繋がりますのでお気軽にお問い合わせください。

株式会社メタルヒート(真空熱処理)
愛知県安城市/石川県志賀町
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【熱処理コラム】酸素濃度と露点測定について

9月となりましたが、まだまだ残暑が厳しい状況で熱中症が危ぶまれる状況であり、コロナ禍も終息までには至っていない状況であります。弊社としても取組を行っておりますが、平穏無事で有るよう祈念しております。

さて、今回は酸素濃度及び露点測定に関してご紹介いたします。弊社では真空熱処理を行っておりますので、真空度を計測する機器に関しては充実しておりますが、雰囲気を観測するツールに関しては必ずしもその然りでは有りませんでした。しかし、現在では何れも測定することが可能です。また協力メーカーにより数ppmのレンジでガスを作成することも可能です。各種試作も対応させていただいております。ご興味ございましたらお気軽にお問い合わせください。

愛知県安城市 株式会社メタルヒート
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【熱処理コラム】炉内圧力のコントロールについて

新型コロナウイルスが再燃しており、問題が深刻化しております。一刻も早い事態の終息を願うばかりです。

さて、今回は炉内圧力のコントロールについてご説明いたします。弊社では真空雰囲気到達後(最大10-^5Pa程度)各種ガスにて復圧行い、コントロールすることが出来ます。100Pa以下の低い圧力であっても、常圧付近の圧力であっても一定に保つことが出来ます(最大95kPa程度)常圧付近でありましたら対流加熱も可能です。

導入するガス種は窒素、水素、アルゴン等ございます。ミックスさせたい場合は、マスフローやミクスチャーガスを作成し、対応することも可能です。水素の高圧、高濃度を行う場合ことも可能ですが、事前の打ち合わせが必要となりますのでお気軽にお問い合わせください。

愛知県安城市 株式会社メタルヒート
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【熱処理コラム】サブゼロ処理について

新型コロナウイルスにより各地緊急事態宣言が解除されつつあります。ともあれ一刻も早い事態の終息を願うばかりです

さて、今回はサブゼロ処理についてご紹介いたします。弊社では800*800*120サイズ、常温~-190℃までコントロール可能なのサブゼロ装置を保有しております。サブゼロによるメリットは様々ですが、その中でも経時寸法変化(経年変化)対策が行えます。焼入時に発生したγr(残留オーステナイト)は経時と共にマルテンサイト化します(時効硬化)マルテンサイト化すると硬く、大きくなります。これが経時寸法変化です。焼入後、焼戻し前にサブゼロを行うことにより、γrを数ヶ月~数年の時効効果を即時マルテンサイト化させることを目的とします。マルテンサイト化することでより硬く強靱化され、工具等の長寿命化に寄与します。

サブゼロ時における注意事項として、ヒートショックによる割れが挙げられます。弊社ではプロコンを使用した制御を用い多段階でゆっくりと冷やすことにより、割れを発生させることなく処理を行う事が可能です。また、シースとロガーを用い、雰囲気温度と実体温度の収斂の状況を確認及び記録することも可能です。ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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【熱処理コラム】結晶粒度について

新型コロナウイルスにより各地緊急事態宣言が解除されつつあります。ともあれ一刻も早い事態の終息を願うばかりです。

さて、今回は金属材料試験の内、結晶粒度について説明いたします。機械的性質である引張強さ、疲労強度などと密接な関わりがあり、結晶粒の大きさによって性能は大きく左右されます。つまり、正しく粒度をコントロール出来れば被処理物(製品)の性能を向上させることが出来ます。鋼に対してはオーステナイト結晶粒度番号にて善し悪しを判断いたしますが、番号の大きいほうが細粒で、小さい数字ほど粗粒となります。粗粒ほど機械的性質は脆弱であり、細粒であるほど性質は向上します。結晶粒度は加熱する温度や時間によって結晶粒度が変化します。例えば焼入であると温度が高ければ高いほど、時間が長ければ長いほど粗粒になります。熱処理は加熱、均熱が至らなければ(時間が満たなければ)製品をして使い物になりませんが、必要以上の温度設定、加熱・均熱時間(特にフラットトップ)は品質を脆化させる要因となります。

弊社では、品質改善のためのご相談を承っております。結晶粒度を細粒化させたい、耐摩耗性を向上させたい、経時寸法変化を抑えたいなどご要望がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

愛知県安城市 株式会社メタルヒート
HP:http://www.metalheat.co.jp  / TEL:0566-98-2501

オンラインでのお打合せが可能です

新型コロナウイルスにより緊急事態宣言が発令され早1ヶ月超、
先日緊急事態宣言が延長されましたが、一刻も早い事態の終息を願うばかりです。

弊社では試作開発や特殊な処理に関しても注力しており、
お客様の望まれる目的のために最適な提案をするよう心掛けております。

本来でありましたら、齟齬の無い様にFace to Faceで
打ち合わせさせていただくことが多いのですが、
現在は緊急事態宣言発令中故、中々困難な状況です。

こういった状況ではありますが、電話やメール、オンライン会議などの
ツールを駆使し打ち合わせさせていただくことは可能です。
従来と変わらぬ体制を堅持して参ります。お気軽にお問い合わせ下さい。

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超大型真空熱処理炉のご紹介

2020年も早1ヶ月が経とうとしております。『一年の計は元旦にあり』先月もブログで申し上げましたが、弊社では本年度能登工場を開設する予定である観点から『能登元年』と銘打ち、様々なアクションを起こしております。

今回は弊社保有の大型炉について少しお話させていただきます。弊社保有の真空炉は23基ございますが、その殆どが一般的な真空炉のサイズ(有効加熱帯)であります「600*600*1050」となります。但し23基中の6基が超大型炉と呼ばれる炉になっており、サイズ(有効加熱帯)が1300*1300*1650」となっております。大きな炉で無ければ大きなワークは処理できませんが、もう一つの優位性に体積の大きさ」が挙げられます。一般的な炉の体積0.378㎥(立米)に対して超大型炉の体積は2.7885㎥(立米)となり、体積比は実に7.3769…倍となります。一般的な炉と超大型炉の処理費は7倍以上もありませんので、嵩張る様なワークに対して非常に大きな優位性を有しております。2005年の本社工場操業当初は2基しか保有していなかった超大型炉はたくさんのニーズによって今では6基保有するに至りました。

能登工場に導入する初期設備は決定しつつありますが、まだまだ広大なスペースが存在します。お客様のご要望に応じ設備することも可能です。ご承知置きいただけますと幸甚に存じます。

新型コロナウイルスが感染拡大し、WHO(世界保健機関)は「国際的に懸念される公衆 衛生上の緊急事態」を宣言しました。一方インフルエンザは、例年に比べ今のところ影を潜めているようですが、ピークはこれから迎えることになりそうです。皆様のご健勝と幸多き一年を祈念し、今月のブログとさせていただきます。

愛知県安城市 株式会社メタルヒート
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熱処理コラム ~磁性測定について~

最近ではデジタル化が推し進み、スケジュールもアプリで行うことが多くなってきましたが、私の机上には卓上カレンダーが存在し最後の1枚となりました。インフルエンザは早くも流行期入りし、各所注意したいものです。

今回は弊社の測定機器の中でも磁性測定に関して説明いたします。軟磁性材料に対して切削、曲げ、プレスなどの加工を行うと歪みが発生し磁気特性が変化します。加工による歪み(応力)が大きくなるほどHc(保磁力)も高まり、磁気特性としては悪化している事になります。

弊社ではB-HアナライザとHcメータを保有しており、測定業務を承っております。B-Hアナライザではμi(初透磁率)、μm(最大透磁率)、Hc(保磁力)、B(磁束密度)等の測定が行えますが、Jisリングでの測定となります。つまりは詳細なデータは収集できますが、熱処理前後等、形を変えない処理前後の対比しか行えません。Jisリングの測定は労力とスキルが必要であり、平易ではありませんが弊社では問題なく測定行うことが出来ます。

一方、Hcメータでは先述の測定の内、Hc(保磁力)のみしか測定できませんが、非破壊検査が可能です。サイズに制限はありますが、先日の通り応力と保持力は強い相関がありますので加工前後のσr(残留応力)を保磁力として管理することが可能です。またHcとその他μi、μm、B等磁気特性も相関が取れている事が確認されています。よってB-Hアナライザによる測定が物理的に不可能、若しくは毎回B-Hアナライザでの測定は労力とスキルの観点から困難といった場合はHcメータでの代用特性をもって管理するのが望ましいと思います。

詳しくは以下のリンクでご紹介させていただいております。ご質問がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
URL:http://metalheat.co.jp/technique/index02.html

愛知県安城市 株式会社メタルヒート  / 真空熱処理
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