カテゴリー別アーカイブ: 熱処理

【熱処理コラム】拡散接合について

5月12日より本社がある愛知県にも緊急事態宣言の発令検討がなされています。私事ではございますが、コロナ禍の影響もありGWも必要最低限の外出しかできませんでした。終息は中々難しいとは思いますが、平穏な日々を切望しております。

さて、今回は拡散接合についてご説明いたします。一般に拡散接合とは高い面粗度の表面を密着させ、高真空度雰囲気下で高温の熱をかけることにより接合する現象を指します。接合面をまたぎ結晶粒も成長する点から、非常に強固に接合することが出来ます。但し今回は接合を目的とした処理ではなく、接合してしまったいわば固着という不具合として捉え、その対策を紹介いたします。

先のご説明の通り、拡散接合は要約すると「高い面粗度」、「高い真空度」、「高い圧力」、「高い温度」により発生します。例えばステンレス部品における溶体化処理の場合、光輝性が必要となることが多く、「高い真空度」はマストとなることがあります。また、品質の観点から「高い面粗度」がマストになることも多く、「高い温度」も軟化と鋭敏化を鑑みるとマストになります。では「高い圧力」をどうにか対策をすれば良いのですが、形状にもよりますが処理量を減らすこととなり、結果マストになるようなことが往々としてございます。とはいえ、対策を講じなければ拡散接合してしまい、製品になりません。

弊社では、各因子に対して少しずつ対策を講じることで拡散接合を発生させずに処理を行っております。今回の内容でお困りなことございましたらお気軽にご相談いただけますと幸甚に存じます。

株式会社メタルヒート(真空熱処理)
愛知県安城市/石川県志賀町
HP:http://www.metalheat.co.jp  / TEL:0566-98-2501

【熱処理コラム】能登工場設備について

本社がある愛知県は例年に比べ桜の開花が大変に早く、もう葉桜になってきました。風情を感じる花見を例年であれば大変楽しみにしておりますが、今年もコロナ禍の影響により遠目で楽しむ程度にしております。平穏な日々を切望しております。

今月4月5日に株式会社メタルヒート能登工場が開所式を迎えました。そこで今月は能登工場が保有する設備について説明したいと思います。

まずは、対流加熱装置付きガス冷却横型真空炉PQC-80/80/130(SP)(IHI製)です。こちらは2台保有しております。炉内有効寸法はH:800*W:800*L:1300で処理量は1000kg/グロスとなっております。窒素、水素、アルゴン雰囲気での処理が可能で、実体温度測定は9chまで可能となっております。

また、大型真空熱処理炉(2bar)(横型真空熱処理炉)TITAN3100(IPSEN製)を1台保有しております。炉内有効寸法はH:915*W:915*L:1220で処理量は2720kg/グロスとなっております。こちらも窒素、水素、アルゴン雰囲気での処理が可能で、実体温度測定は9chまで可能となっております。

勿論洗浄装置も保有しており、真空脱脂洗浄機J00095P000 IWBV-4VCS(IHI製)、炉内有効寸法はH:780*W:780*L:1350、処理量は1000kg/グロスとなっております。

その他、熱風循環式焼戻炉NEF-500-C(中日本炉工業製)を保有しており炉内有効寸法はH:800*W:800*L:1300、処理量は500kg/グロスとなっております。

案件によっては設備から行えるだけの設置スペースも十分に備えております。ご興味がございましたらお気軽にお声掛けいただけますと幸甚に存じます。

株式会社メタルヒート(真空熱処理)
愛知県安城市/石川県志賀町
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【熱処理コラム】金属粉末に対する熱処理

本社がある愛知県にはまだ緊急事態宣言が敷かれており、まもなく解除されると思われます。また、今月13日北関東で発生した地震や山火事と災害が続いており、平穏な日々を切望しております。

さて、粉体に対する熱処理についてご説明いたします。例えば鉄の比重は7.85ですが、粉体になるとかさ密度の観点から比重は低くなります。かさ密度や粉体の大きさによりますが3~5程度になることが多いです。真比重と比べて空気を含んでいる分軽くなりますが、軽くなるだけではなく熱の移動が非常に悪くなります。具体的には熱伝導から対流や輻射になってしまうのが原因です。また、表面積が真比重の場合最小化されていますが、粉体になることによって非常に大きくなります。

よって、粉体の熱処理を行う場合には様々な点を考慮する必要があります。熱の移動が悪い分、処理時間が多く掛かります。密度も低い分、1回の処理に量が多く充填できません。表面積が大きい分、化合しやすくまた、拡散接合しやすくなります。こういった様々な要因に対して処置を行い狙いの品質を満たすのは少々骨が折れます。

弊社では、多くの経験から最適な処理を可能にすべく提案をさせていただいております。例えば熱の移動に関しては表層と中心部の実体温度を測温し、最良な充填量を設定します。粉体に対する最適な熱処理ご興味がございましたら是非お問い合わせください。

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愛知県安城市/石川県志賀町
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【熱処理コラム】ドライポンプについて

真冬日と穏やかな気候が繰り返され寒暖差が激しい日が多くなっております。また、緊急事態宣言が11都府県に発令されています。平穏な日々がまた訪れることを切望しております。

さて、今回はドライポンプについてご説明いたします。
一般に真空炉で使用するポンプはロータリーポンプ(RP)、 メカニカルブースターポンプ(MB)、ディフュージョンポンプ(DP)であり、特にRPは初期粗挽きに使用されますが、密閉や潤滑の為に使用されるポンプ油が蒸発し真空容器内に流れ込みます。そういったコンタミを嫌うケースに適当なのがドライポンプとなります。ドライポンプは先述の密閉や潤滑で用いる油が使用されておりません。
弊社では必要に応じドライポンプを用いた真空熱処理を行うことが出来ます。
清浄な炉内雰囲気にご興味がございましたら是非お問い合わせください。

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【熱処理コラム】炉内温度分布と測温について

弊社がある愛知県の日中は20℃を越し、過ごしやすい季節でありますが朝晩の冷え込みが大きく、体調管理が難しい状況です。コロナ禍の影響により、各所大きな爪痕をいまなお残しておりますが、終息までには至っていない状況であります。平穏無事で有るよう祈念しております。

さて、先月も触れましたが今月は温度分布と測温についてご説明いたします。炉内の質量により、雰囲気温度と実体温度は大きく差が出ます。また、昇温スピードが早いと同様の減少が起こります。但し、実際にどれだけ差が発生しているかどうかは測温しなければわかりません。弊社ではデータロガーを用い、10点までであればリアルタイムに測定が行えます。適正な温度条件を設定するのにどれだけの時間で収斂するのか、均熱が長すぎて組織が粗大化していないか、フラットトップを出来るだけ短くするため(粗大化、サイクルタイム、ユーティリティ)予熱は必要ないか、新規案件は勿論、既存の条件の妥当性確認などを行うことが可能です。耐熱ボックスも有しているため、ドライ環境下であれば出張対応も行えます。条件の設定、品質の向上、生産性向上、ムダの削減等に繋がりますのでお気軽にお問い合わせください。

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【熱処理コラム】酸素濃度と露点測定について

9月となりましたが、まだまだ残暑が厳しい状況で熱中症が危ぶまれる状況であり、コロナ禍も終息までには至っていない状況であります。弊社としても取組を行っておりますが、平穏無事で有るよう祈念しております。

さて、今回は酸素濃度及び露点測定に関してご紹介いたします。弊社では真空熱処理を行っておりますので、真空度を計測する機器に関しては充実しておりますが、雰囲気を観測するツールに関しては必ずしもその然りでは有りませんでした。しかし、現在では何れも測定することが可能です。また協力メーカーにより数ppmのレンジでガスを作成することも可能です。各種試作も対応させていただいております。ご興味ございましたらお気軽にお問い合わせください。

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【熱処理コラム】炉内圧力のコントロールについて

新型コロナウイルスが再燃しており、問題が深刻化しております。一刻も早い事態の終息を願うばかりです。

さて、今回は炉内圧力のコントロールについてご説明いたします。弊社では真空雰囲気到達後(最大10-^5Pa程度)各種ガスにて復圧行い、コントロールすることが出来ます。100Pa以下の低い圧力であっても、常圧付近の圧力であっても一定に保つことが出来ます(最大95kPa程度)常圧付近でありましたら対流加熱も可能です。

導入するガス種は窒素、水素、アルゴン等ございます。ミックスさせたい場合は、マスフローやミクスチャーガスを作成し、対応することも可能です。水素の高圧、高濃度を行う場合ことも可能ですが、事前の打ち合わせが必要となりますのでお気軽にお問い合わせください。

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【熱処理コラム】サブゼロ処理について

新型コロナウイルスにより各地緊急事態宣言が解除されつつあります。ともあれ一刻も早い事態の終息を願うばかりです

さて、今回はサブゼロ処理についてご紹介いたします。弊社では800*800*120サイズ、常温~-190℃までコントロール可能なのサブゼロ装置を保有しております。サブゼロによるメリットは様々ですが、その中でも経時寸法変化(経年変化)対策が行えます。焼入時に発生したγr(残留オーステナイト)は経時と共にマルテンサイト化します(時効硬化)マルテンサイト化すると硬く、大きくなります。これが経時寸法変化です。焼入後、焼戻し前にサブゼロを行うことにより、γrを数ヶ月~数年の時効効果を即時マルテンサイト化させることを目的とします。マルテンサイト化することでより硬く強靱化され、工具等の長寿命化に寄与します。

サブゼロ時における注意事項として、ヒートショックによる割れが挙げられます。弊社ではプロコンを使用した制御を用い多段階でゆっくりと冷やすことにより、割れを発生させることなく処理を行う事が可能です。また、シースとロガーを用い、雰囲気温度と実体温度の収斂の状況を確認及び記録することも可能です。ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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【熱処理コラム】結晶粒度について

新型コロナウイルスにより各地緊急事態宣言が解除されつつあります。ともあれ一刻も早い事態の終息を願うばかりです。

さて、今回は金属材料試験の内、結晶粒度について説明いたします。機械的性質である引張強さ、疲労強度などと密接な関わりがあり、結晶粒の大きさによって性能は大きく左右されます。つまり、正しく粒度をコントロール出来れば被処理物(製品)の性能を向上させることが出来ます。鋼に対してはオーステナイト結晶粒度番号にて善し悪しを判断いたしますが、番号の大きいほうが細粒で、小さい数字ほど粗粒となります。粗粒ほど機械的性質は脆弱であり、細粒であるほど性質は向上します。結晶粒度は加熱する温度や時間によって結晶粒度が変化します。例えば焼入であると温度が高ければ高いほど、時間が長ければ長いほど粗粒になります。熱処理は加熱、均熱が至らなければ(時間が満たなければ)製品をして使い物になりませんが、必要以上の温度設定、加熱・均熱時間(特にフラットトップ)は品質を脆化させる要因となります。

弊社では、品質改善のためのご相談を承っております。結晶粒度を細粒化させたい、耐摩耗性を向上させたい、経時寸法変化を抑えたいなどご要望がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

愛知県安城市 株式会社メタルヒート
HP:http://www.metalheat.co.jp  / TEL:0566-98-2501

オンラインでのお打合せが可能です

新型コロナウイルスにより緊急事態宣言が発令され早1ヶ月超、
先日緊急事態宣言が延長されましたが、一刻も早い事態の終息を願うばかりです。

弊社では試作開発や特殊な処理に関しても注力しており、
お客様の望まれる目的のために最適な提案をするよう心掛けております。

本来でありましたら、齟齬の無い様にFace to Faceで
打ち合わせさせていただくことが多いのですが、
現在は緊急事態宣言発令中故、中々困難な状況です。

こういった状況ではありますが、電話やメール、オンライン会議などの
ツールを駆使し打ち合わせさせていただくことは可能です。
従来と変わらぬ体制を堅持して参ります。お気軽にお問い合わせ下さい。

愛知県安城市 株式会社メタルヒート
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