そろそろ梅雨入りも近くなってまいりました。雨を含めた季節の移ろいを楽しみたいところではありますが、弊社では金属を取り扱う機会が多く、錆に関しては大変注意を払う必要があり手放しでは楽しめないのが実状です。しっかりと対処しつつ、恵みの雨に感謝したいと思います。
今回は焼なまし(アニーリング)について触れたいと思います。
弊社は主に全30基ほどの真空熱処理炉を用い、多様な熱処理を行っております。真空炉はいわば巨大な圧力容器となり、断熱性が非常に優れております。よって、真空炉では急冷もしくは徐冷は行えますが、空冷や放冷は行うことが難しいです。よって、焼きならしは不得手となります。
一口に焼なましといっても多岐にわたります。
主だった処理について説明いたします。
【完全焼なまし】
機械構造用炭素鋼や機械構造用合金鋼等を出来る限り軟化させる処理で加工応力、加工硬化、残留応力を取り除く処理となり、一般的な処理となります。
【球状化焼きなまし】
層状のFe3Cを球状化することで工具鋼、軸受鋼等に対する被削性向上と機械構造用合金鋼の被削性、靭性向上が目的となります。
【磁気焼なまし】
パーマロイ、純鉄、パーメンジュール、電磁ステンレス等軟磁性材料に対して加工で発生したひずみ(歪により磁化する)を除去する目的で行われます。
【固溶化熱処理】
主にオーステナイトステンレスに対して強加工や溶接等により発生したCr炭化物を固溶させ、急冷することで耐食性を回復させる処理となります。
上記の他、チタンに対する溶体化や応力除去焼なまし、ばね焼鈍等、多様な熱処理が可能です。お気軽にお声掛けください。
株式会社メタルヒート(真空熱処理)
愛知県安城市/石川県志賀町
HP:https://www.metalheat.co.jp / TEL:0566-98-2501